馬革の特徴と種類
馬革といえば、コードバン。
磨き上げた時のツヤやしなやかさ、エイジングされた時の独特の雰囲気は格別のもの。丈夫なため財布やベルト、子供のランドセルなどにも使用されています。
コードバンの魅力は語りきれないほど。履き込んでエイジングされたコードバン靴は格別です。
馬と牛の繊維組織自体はよく似ていますが、馬は牛と違って運動量が格段に多いので、余分な脂肪が少ないので皮が薄く、軽くて柔らかい革になります。
牛革に比べて厚みや強靱性でやや劣ります(コードバン以外)が、柔軟性では優れています。
●馬革の種類
・コードバン
・ホースハイド
それぞれの革の特徴とメンテナンス方法
コードバンの靴磨きについて
▼コードバン
『革の王様』として名高い、希少皮革のコードバンの特徴は、牛革の2〜3倍の強度を持ち、表面はキメの細かい繊維がむき出しになっているので独特の光沢感を持ち、しっとりとした質感があります。キズや汚れにも強いので長く使えるほか、使えば使うほど独特の光沢がでて味わい深くなるので一生ものとして楽しむことができます。
残念ながら雨と裂けには弱いです。水や雨にあたるとポツポツと跡が付いてしまいます。これは革表面の平らに寝させている革の繊維が濡れることで起きてしまうことが原因です。シミではなく毛が起きることによる症状ですので、寝かせることで改善できます。
<メンテナンス方法>
1.シューツリーを入れ、履き皺を伸ばし、型を整える
2.ホコリ落とし
靴には目に見えない汚れやホコリが付着している為、ブラシで一方向へブラッシングして全体のホコリを落とします。汚れやホコリのたまりやすい縫い目やアッパーとウエルトの境目も入念に行います。
3.汚れ落とし
クリーナーを使い、革にしみこんだ汚れや汗を浮かび上がらせてふき取ります。靴の表面の古いワックスや汚れが取れて光沢感がなくなります。
4.コードバンが毛羽立っているようであれば、アヴィスティックやかっさ棒を使って毛を寝かせます。その際は、油分が多い靴クリームを塗ってから何度も何度も毛を寝かせるようにマッサージします。
5.革に栄養を与えます。
ある程度毛羽立ちがおさまれば、コードバンクリームで革全体に薄く延ばすように塗ります。時間をおいて塗ったクリームを豚毛ブラシでブラッシングします。靴全体に均一にクリームを馴染ませます。傷や色あせがある場合は、色のあったクリームを使い、補色し目立ちにくくします。
6.艶出し。
最後に仕上げとして、クリームと同様の手順でワックスをなじませます。仕上げにキメ細やかなポリッシングクロスで磨き上げるとコードバン独特の光沢がでます。
ホースハイドの靴磨きについて
▼ホースハイド
美しい光沢となめらかな手触りが特徴で、持ったときに心地よく手に馴染みます。とても軽く牛革よりも強く丈夫でキズが付きにくい
<メンテナンス方法>
1.シューツリーを入れ、履き皺を伸ばし、型を整える
2.ホコリ落とし
靴には目に見えない汚れやホコリが付着している為、ブラシで一方向へブラッシングし全体のホコリを落とします。汚れやホコリのたまりやすい縫い目やアッパーとウエルトの境目も入念に行います。
3.汚れ落とし
クリーナーで革の毛穴の汚れや古いワックスを浮かび上がらせてふき取ります。靴の表面の汚れが取れて光沢感がなくなりますが、保革すれば元に戻ります。
4.革に栄養を与えます。
乳化性クリームを指で革全体に革になじむようにすり込みます。時間をおいて革に馴染んだらブラッシングします。
5.艶出し。
最後にワックスで磨き上げ光沢を出します。